相続の仕組
相続の仕組とは?

預貯金債権が凍結
相続の手続以前にお葬式があります。葬儀代金、お布施、生前の治療、入院費、香典返しなどの支払は相当の負担です。

ところで、これらの費用、どこから捻出するんでしょうね。相続税の考え方によると葬儀代金は、故人の財産から控除できるとされますので、相続人は、遺産から支払うことができると考えられます。現実には、香典から支払うことが多いです。

そのつもりで、故人の預貯金からお金を引き出しに銀行などへ行く訳ですが、なんと引き出しに応じてもらえないことがあります。

うまくいく例としては、以前から故人の代わりでも引き出しに応じてもらえて、窓口にも顔が利く状態でしたら大丈夫かも知れません。また、ATMで暗証番号を入力すれば引き出せるでしょう。

このとき、窓口で顔利きゆえに正直に「実は、名義人が亡くなって…」などと漏らしてしまうと、口座は凍結されてしまいます。

相続人の一部のみでは、当然には払出に応じることができないことになっているからです。

一旦口座が凍結されてしまいますと、遺言書の提示(ただし検認手続済み、あるいは、公正証書)または、遺産分割協議を経るまで、支払は為されません。

ただ、金融機関によっては、遺産分割協議前でも、金融機関所定の死亡届書などに合わせて相続人全員の署名押印、印鑑証明書の提出で、支払に応じる場合もあります。

誠実に反するのでお勧めはしませんが、亡くなったことを内緒でこっそり引き出すのも、ひとつのテクニックかも知れませんね。


■相続人全員なる首枷(くびかせ)
上の項で、既にお気付きかもしれません。遺産は、遺言書がなく、遺産分割協議前の段階では相続人全員に帰属している状態です。

そのままの状態で放置していても、支障ない場合も多分にありますね。例えば、故人名義の住宅でもそのまま住み続けることもできますし、自動車も動かせます。

ただ、これらを売買、あるいは事故に遭ったときなどでは、支障が出てきますから、その時点であらためて遺産分割協議となり、かなり面倒です。

遺産分割協議は、相続人全員で、協議しなければならないからです。

ですから、相続発生後、速やかに遺産分割協議を為し、登記・登録を済ませる方が、無難だと思います。


膨れる相続人
相続人全員って、誰が相続人なの?

単純に同一世帯の家族という訳でもないんですよね。第3順位まで定められており、まず、配偶者は常に相続人で、第1順位 子、第2順位 直系尊属(親、両親共ないとき祖父母)、第3順位 兄弟姉妹となります。第2順位以降は、上位の相続人がないときに相続人になります。

同居であっても、お嫁さんや、孫たちは、相続人ではありません。逆に別世帯でも子の方に相続の権利があるんです。

お嫁さんや、養子に入られたお婿さんでも、舅姑と戸籍上の養子縁組をしていれば、親子関係が成立しますので、相続人と扱われます。

また、は相続人でないとも申し上げましたが、孫の親、即ち故人の子が、先に他界していたときには、子の代わりに孫たちが相続人になります。代襲相続といいます。

稀でしょうが、子も孫も先に他界する事態であれば、孫の子、即ち、曾孫が代襲相続します。このような具合に世代が下がり、併せて地理的にも広がっていきます。故人とは、縁遠くなるも相続権は、維持されるのです。長寿高齢化社会にあっては、考え得る状況でしょう。

曾孫が相続人となり、まだ、未成年であるとき、協議には、法定代理人の同席を要します。即ち、更に協議に加わる人が増える訳です。

知らない相続人も存在するかも知れません。故人が再婚で、以前に子があった場合、あるいは、愛人との間に子があり、認知していた場合、彼らもまた相続人です。

すべての相続人を調べるには、市役所等で、故人の出生から亡くなるまで連続する戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本を全部入手することになります。窓口で相続で使用するのでと告げれば、応対してくれます。

戸籍地は、住所地と異なる場合もありますので、戸籍地が遠方の場合は郵送でも対応できます。また故人が転籍していた場合、前戸籍地でも、除籍謄本を入手することになります。


同居世帯人の苦悩
早かれ遅かれ、遺産分割協議をしなければならないらしい…とすれば、故人の遺産を管理している同居相続人が、協議を主宰することになるでしょう。

他の相続人は、呼付けられて何事だ?と思うでしょうね。おそらくは、遺産は自動的に同居相続人が継ぐものと暗黙の了解を与えていたでしょうから。

そして、遺産分割協議で、法定相続の知識が入ると分け前に与れるなぁという気持ちになるのも頷けます。

気の毒なのは同居相続人です。暗黙の了解から一転、他の相続人も同じ立場になる訳ですからね。極端な話、遺産が土地と建物のみであったとしたら、分割できないため自己の財産から他の相続人に代償を支払うおそれもないとはいい切れません。

何とか他の相続人には批判を受けず、自己には有利な分割案を探るモヤモヤした作業を進行しなければなりません。


■誰か泣き寝入り

現実には、代償を支払うような過酷な要求はなく、他の相続人たちが相続分なしでよろしいと了解する形態が多いでしょう。

何とかそれで落ちがつけれたのはよいですが、同居者には負い目、他の相続人は、損した感覚が残り、お互い気まずい気持ちになりますよね。

一方で、同居相続人でも、公平な分割で、住宅を相続した分、泣く泣く自己の財産から代償を余儀なくされた事例もあるでしょう。

誰も泣き寝入りしないことはないんです。それなら暗黙の了解で遺産分割協議を経ずにそのまま実行できれば、お互いモヤモヤせずに済んだでしょうに。

ああ…遺言書があれば…


■借金も財産の意味
前項までは、プラス遺産の前提でお話してきましたが、厄介なことにマイナスの財産も相続の対象になります。プラス財産との清算で、解決できれば相続人も安心できますが、清算後もなおマイナスであるときは、相続人が負担することになります。殺生な話ですね。

そこで、相続人は、相続放棄することができることになっています。放棄には期限があり、相続開始を知ったときから3ヶ月と定められています。

では相続人全員が放棄を為したときどうなるかと申しますと、債務は次順位の相続人へまわってきます。迷惑な話です。なので次順位相続人も相続放棄を為し、全員放棄すると更に次順位へという具合に放棄、代襲相続人も然りです。何度も放棄が繰り返され最終的には、相続人なしの状態になります。

放棄を為したら、次順位相続人に知らせないと、大変な迷惑がかかります。


■相続税、納めるなんて
相続税を納めるなんて、すごいんです。

相続税には、基礎控除というのがあり、5千万円+1千万円×相続人の数までは、非課税なんですから。ですから、相続税を納める世帯は、相当に遺産がある訳ですね。

この他、配偶者の税減額措置や小規模住宅地の特例もあり、これらのテクニックを用いると更に控除枠は、広げることもできます。

相続人全体の5%程度が相続税を納めているといわれます。


ここまで、偏ったトピックで、かなりはしょって、不十分な印象であると存じます。ご容赦ください。相続の仕組が解る電子書籍を無料で差し上げていますので、下記からぜひご入手ください。


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