■家系図のレーザーマーキングについて考えます。
金属板やアクリル板に文字やデザインをレーザーで彫刻する技術です。
装飾にはもちろん効果的ですが、それよりその保存性に着目しました。
わたしが幼稚園当時の話です。昼食は弁当で、弁当箱は金属製でした。冬には幼稚園のストーブにのせて温めてから食べたものです。電子レンジは普及していませんでしたからね。
わたしが結婚し、父親になったあと、その弁当箱を実家で見かけました。懐かしさをおぼえ、手に取ってみるとわたしの名前が彫ってありました。筆跡は、父親のものでした。キズをつけて彫っていたんですね。鮮明です。
30年以上経ても、なお鮮明で、優しかった亡き父が書いていたことを思うと愛着がわきます。
昔は、金属製のものには、キズをつけて名前を彫りましたよね。
さらに遠い遠い過去、紙が発明されるより前、ご先祖様たちは、硬い岩や石に情報を刻みました。紙の発明以降も偉大な功績には記念碑を建てて、その出来事は長く後世にまで伝えられました。媒体の硬さゆえ情報は永い時間の保存にも耐えることができたわけです。
ちょっと話が壮大になり過ぎましたが、例えば墓石なども同じで、江戸時代以前の家系調査の現地調査では、石に刻まれた情報も読み取ります。
硬さは耐久性を高めます。金属にレーザーマーキングされた情報は、故意に処分されなければ、相当の期間保存されるでしょう。
上の弁当箱の例ではありませんが、わたしたちは、親から名前をいただき、親から持ちものにたくさん名前を書いてもらいましたよね。
もはやお互い大人ですし、逆に子が親の名前を書いて差し上げる機会など、めったにありませんが、お返しで家系図に親の名前を残してあげるなんて、奥ゆかしいなと思います。家系図をながめるとちょっと満足感にひたれそうな気がしませんか?
▲こちらはアクリル板での加工例
左のが一番最初のサンプルです。
マーキングでは、風合いを出すため焼きをだしてあります。
マーキングの状態は良好でしたが、板に対する上下左右、余白の具合を考えてみたいと思います。
判明した世代数や人物数で、系図のボリュームは異なるので、商品化には左右の切断、および保存性を上げるため、ニスの塗布も要します。
素材ごとのマーキング具合を比較してみます。まず、透明アクリル板でのマーキング例です。
ともに見づらく申し訳ありません。透明ゆえに通常のスキャンでは左のようにほとんど見えませんでした。裏に黒の繊維を敷くと右のような具合です。全体を映すと文字が見えないので一部を拡大してみます。
この画像では、透明なアクリルのクリアー感が伝えられず残念です。
デジカメでも、最初の画像のとおり、反射や影で撮影は困難でした。
次は、ステンレスへのマーキングです。
下のサンプルは、鏡のような材質でしたが、スキャンでは真っ黒に映ってしまいました。
デジカメでは、輝き感がなんとなく伝わる程度でしょうか?撮影も反射により困難でした。
右のサンプルは、ざらざら感の残る材質で、金属というより石への刻印っぽい渋めの印象です。
最も状態をお伝えしやすいのが木材へのマーキングです。
さて、本題のレーザーマーキングの技術説明です。その特徴は製品自身がレーザーで変質するため、消えない印刷、環境にもやさしい装飾技術としても注目されます。
仕組は、照射したレーザー光を対象物に吸収させ、それが熱に変換、あるいは、化学反応を起こし、樹脂や金属を分解・蒸発、炭化・変色、発泡させます。
この部分は周囲と色や表面状態が異なるため文字や模様として見る事ができるというわけです。
写真などこまかいデータでも、マーキングが可能です。
さまざまな可能性を秘めた技術なのです。
メーカー名:トロテック社(オーストリア製)
加工機名:ファインマーカ・ハイブリッド
CO2(炭酸ガス)、YVO(YAG)搭載
加工範囲:w735mm×d435mm
加工素材:ステンレス、アルミ、アクリル、木、皮革
テスト結果はすべて良好でした。
それぞれに魅力ある風合いになりました。
アクリルとステンレスは、画像では状態を伝えづらかったのですが、ともにクリアーでシャープ、上品な印象です。
もちろんこのままの状態では、販売できませんので、あとは商品化に向け、それぞれ楯や額と組み合わせで、付加価値を高める工夫を要します。
実は、木に対するマーキングで、ニス塗布を業者に依頼しようとしたところ、仕上りは、水にぬらしたように背景色が濃くなり、文字色と類似して読みづらくなるだろうとのご指摘を受けました。
実際、木をぬらしてみると、ご指摘のとおり背景がこげ茶色になり、文字の焼き色が埋没してしまいました。
木への系図マーキングは、年輪と世代の積み重ねが商品イメージとマッチしていて、気に入っていたのですが、お客様に有料でサービスする以上、完成度を高めてから稼動したいと思います。
白目の木であればよいらしいので、時機を見てトライしたいと思います。
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